外国人を雇うにはどうすればいい?外国人雇用に必要な基礎知識

今後ますます労働力不足の加速が予測される中、さまざまな業界・業種で外国人労働者の雇用を検討する企業が増えてきています。
ただ、これまで外国人を雇用したことがない企業にとっては、なにからどう着手すればいいのか、わからないことも多いと思います。
そこでここでは、外国人を雇うにはどうすればいいのか、外国人の雇用に必要な基礎知識や準備すべきことなどをくわしく解説していきます。

目次 非表示

目次へ

外国人を雇用する企業が増えている背景と現状

日本の労働力不足を解消する手段として注目されている外国人労働者の雇用には、考えるべき課題も少なくありません。そこで外国人労働者の雇用を検討する前に知っておきたい基礎知識や、必要な手続きなどについて説明していきます。

なぜ今、外国人労働者の需要が高まっているのか

日本では、少子高齢化によって労働人口が年々減少しているのは周知の事実です。
総務省統計局のデータをもとに作成された「国土交通白書2024」によれば、2023年10月時点の生産年齢人口(15歳~64歳)は7,395万2,000人で、総人口日で59.5%にとどまります。

1995年の8,726万人(総人口比69.5%)と比較すると、10%ほどの減少となっていることがわかります

(※)参照元:※参照元:国土交通省「国土交友白書2024」第1節 本格化する少子高齢化・人口減少における課題(https://www.mlit.go.jp/statistics/file000004/html/n1111000.html

生産年齢人口の減少は、製造業や介護業、建設業など多くの業種の労働力不足を招き、深刻な問題となっています。
企業にとって、国内の人材のみで労働力を確保することが難しくなり、これを補う手段として外国人労働者の採用が急務となっているのです。

(※)参照元:総務省統計局 人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2023np/index.html

特に介護分野では、日本人の担い手だけでは対応しきれない高齢者ケアの需要が急増しており、外国人労働者の存在が欠かせないというのが実情です。
製造業や建設業でも人手不足が深刻であり、技能実習制度を通じて多くの外国人が受け入れられています。このような外国人労働者の採用は、日本の産業を支える重要な役割を果たしています。

そして事業のグローバル化の進展により、日本国内の企業が海外市場での競争力を高めるためにも、異なる文化背景や言語スキルを持つ外国人材が必要不可欠になってきています。
観光業や飲食サービス業、小売業などでは特に多言語対応や異文化対応が求められており、こうした顧客ニーズに応えるためにも外国人労働者の雇用に積極的に取り組んでいます。
訪日観光客向けに英語や中国語などを話せるスタッフの需要が増えていることも、外国人材の雇用が増えている要因のひとつです。このような動向を受けて、外国人労働者の採用が日本企業にとって優先順位の高い施策となっています。

外国人雇用の最新動向と統計データ

厚生労働省の「外国人雇用状況」のデータによれば、2023年10月末時点で日本で働く外国人労働者の数は2,048,675人。この数字は、外国人雇用状況の届出が義務化され、統計が開始された2007年以降、過去最高の記録です。対前年増加率は12.4%となっており、現在も右肩上がりに外国人労働者の数字は伸び続けています。


また、特定技能制度や技能実習制度を活用して働く外国人労働者も増加しています。日本に滞在可能な在留資格を持つ外国人労働者のうち、前年比の増加率が最も高かったのは「専門的・技術的分野の在留資格」の24.2%。「技能実習」も20.2%増加しています。

「特定技能」資格を持つ外国人労働者は、とくに介護や農業、建設業といった業界でなくてはならない人材となっていますし、今後ますますニーズが高まっていくことが予測されます。
これらのデータからも、外国人労働者が継続的にできるだけ長く就労していくことが、日本の経済活動を支える重要な要素であることがわかります。

※参照元(PDF):厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)(https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001195785.pdf

外国人を雇用するメリット

外国人を雇用する企業側のメリット

慢性的な労働力不足の解消

外国人労働者の雇用により、特に人手不足が顕著な産業で労働力が確保できます。労働力不足はサービスの低下を招くだけでなく、事業の継続が困難になったり、失注につながったりします。

とくに介護業界では施設で働くケアワーカーの確保が難しいため、外国人労働者の採用を積極的に進める事業者が増えてきています。日本語の習得や資格取得といったハードルはありますが、日本で働きたいという外国人材は貴重な存在であることに変わりはありません。

また建設業においても、基本的な作業を外国人労働者が担うことによって、労働力不足を補えるだけでなく、日本人の熟練労働者が専門的な業務に集中できるというメリットもあります。

コスト最適化と助成金の活用

外国人を雇用する企業は、日本政府の助成金制度を活用することで、コストの最適化を図ることができます。たとえば、外国人特有の事情に配慮した職場環境の整備などに活用する「人材確保等支援助成金」(厚生労働省)などがあります。
そのほか各自治体でも、外国人労働者の日本語学習支援や生活適応を目的とした助成金が用意されています。これらの制度を利用することで、企業は外国人雇用に伴う初期費用の負担を軽減することが可能です。

多言語対応による顧客サービス向上

外国人観光客が増加する中、観光業や飲食業、小売業などインバウンド向け事業では多言語対応が当たり前の時代になっています。外国人労働者を雇用することで、顧客対応において多言語でのサービス提供が可能となり、顧客サービスの質が向上します
観光地や商業施設に英語や中国語を話せるスタッフがいることによって、外国人観光客が安心かつ便利に利用できる環境が整い、リピーターのインバウンド客を獲得できる可能性が高まります。

海外進出の足掛かりとグローバル展開

企業が海外進出を検討する際、外国人労働者の雇用は重要な強みとなります。特に、現地の文化やビジネスマナーに精通した外国人を採用することで、新たな市場への参入がスムーズに進む可能性が高まります。アジアやヨーロッパなど海外への進出を目指す企業にとって、現地出身の外国人労働者がいることは、現地市場の開拓や競争力向上に大きく貢献するはずです。

雇用される外国人労働者側のメリット

健康保険制度など充実した福利厚生

日本は社会保険制度が整っており、外国人労働者も日本人と同様に健康保険や厚生年金に加入することが可能です。健康保険に加入することで医療費の自己負担が軽減されるほか、日本で長く働く場合は厚生年金の積み立てによって、老後の生活保障にもつなげることができます
国民皆保険制度により、どの国の外国人労働者であっても受けられるという世界屈指の成熟したこの制度は、外国人労働者が安心して働ける環境の実現に大いに貢献しています。

世界に誇る日本の「おもてなし」スキルを身に着けられる

日本には質の高い「おもてなしサービス」がさまざまなビジネスで提供されています。外国人労働者もその環境下で働くことにより、世界に誇る日本のサービスを学ぶことができます。
とくに観光業や飲食業などの分野では、日本で得たおもてなしスキルを自国や海外での就労する際にアピールでき、自分の強みにすることができます。外国人労働者にとって日本での経験は、キャリアアップの貴重なステップとなるでしょう。

安定的・継続的雇用が期待できる

特定技能制度や技能実習制度などにより、外国人労働者の安定的・継続的雇用の実現ができます。特に特定技能制度では長期間にわたって同じ業種での就労が可能であるため、外国人労働者が望む生活の安定が実現できます。
日本企業と外国人労働者との間で長期的な雇用関係が築かれることで、外国人材の生活基盤が整えやすくなり、日本に定着して長く安心して働けるというメリットがあります。

外国人を雇う際の雇用のデメリットと課題

文化・習慣の違いとコミュニケーションの難しさ

外国人労働者と日本人労働者の間では、文化や習慣の違いが原因でコミュニケーションに難しさが生じることがあります。例えば、時間に対する意識や業務に対する姿勢の違いが摩擦を生む可能性があります。
こうした問題を解決するためには、企業内で異文化理解のための研修や勉強会を開催し、お互いの違いを理解する取り組みが重要になります。また、英語や日本語のコミュニケーションスキルを高めるための研修を実施し、社内コミュニケーションの円滑化を図ることが求められます。
通常業務に加えて研修や指導に時間を割く必要があるため、初めて外国人労働者を受け入れる場合には、受け入れる企業側にも外国人材にも、物理的・精神的負担がかかります。この点をデメリットに感じる雇用主も外国人材もいるのは事実です。

時間がかかる複雑な雇用手続き等の負担

外国人労働者の雇用にあたっては、在留資格の取得や労働契約の締結など、多岐にわたる手続きが必要です。これらの手続きは複雑であり、時間がかかるため、企業にとっての負担は決して少なくありません。
また、在留資格の更新や変更が必要な場合には、追加の手続きが発生することもあります。このような手続きを円滑に進めるためには、専門知識を持つスタッフを配置し、事前に十分な準備を行うことが重要です。

法律遵守に向けた取り組みに時間を要する

外国人労働者の雇用に際しては、労働基準法や入管法を順守する必要があります。万が一不法就労が発覚すれば、企業には罰則が科せられるだけでなく、社会的な信用も失う可能性があります。
そのため、雇用する際には在留資格をしっかりと確認し、法的に認められた範囲での雇用を確保することが求められます。また、外国人労働者が日本人と同様の待遇を受けられるよう、労働条件の明確化と法令遵守が重要です。
外国人雇用労務士や外国人雇用管理主任者など、外国人雇用に関する法令等の知識やノウハウがある社員が社内にいない場合は、公的機関の「外国人雇用管理アドバイザー制度」などを利用するのもひとつの手段です。

外国人雇用のコンプライアンスを遵守できる体制を整えて、長く外国人材に活躍してもらえるような仕組みづくりをしていくことが重要です。

外国人を雇うための必要な手続き

在留資格・届出事項を確認する

外国人労働者を雇用する際には、就労可能な在留資格を持っていることを確認し、適正・適法な手続きを行う必要があります。氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍は「在留カード」または「旅券(パスポート)」で確認します。
資格外活動の有無については、「資格外活動許可書」または「就労資格証明書」で確認します。
在留資格によっては、就労が制限される場合もあるため、自社の業種や雇用する業務内容と、求職者の資格要件が一致しているか確認しましょう。
特定の業務においては資格外活動許可が必要となる場合もあるため、慎重な確認が求められます。

在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格には、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習などが挙げられます。
外国人を雇用する場合は、厚生労働省の下記ページを確認するようにしましょう。

参照元:厚生労働省「外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください」(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/gairou/980908gai01.htm
厚生労働省「二.届出事項の確認方法について」(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/gairou/980908gai02.htm

労働契約の締結に必要な書類の準備

外国人労働者と労働契約を結ぶ際には、契約内容を明確にし、「労働条件通知書」などの書類を準備することが求められます。
契約内容を具体的に示すことで、雇用条件に関するトラブルを防ぎ、外国人労働者が安心して働ける環境を提供できます。
労働条件通知書には、給与や就業時間などの具体的な情報を明記し、労働者と企業双方の理解を深めることが重要です。

社会保険や税務手続きの対応

外国人労働者を雇用する際には、社会保険や税務手続きが求められます。社会保険には健康保険や年金・雇用保険などが含まれますが、外国人労働者もこれらの制度に加入することが義務付けられています
税務手続きについても適切な対応が必要であり、正確な情報提供と手続きを行うことが求められます。

外国人材の募集方法にはどのようなものがある?

ハローワーク(公共職業安定所)に求人を出す

ハローワークに外国人労働者を募集する求人情報を出すという方法があります。ハローワークは公的機関のため、求人掲載料・紹介手数料は無料です。
東京・愛知・大阪とエリアは限定されてしまいますが、外国人雇用サービスセンターや日系人雇用サービスセンターといった、外国人採用の専門窓口が開設されている自治体もあります。

  • 全国のハローワーク:日本人の求人同様、外国人の求人情報掲載が無料でできます。最寄りのハローワークに問い合わせてみてください。
  • 全国の主要なハローワークに外国人求職者向けの通訳が配置されています。
  • 東京都と大阪府には「外国人雇用サービスセンター」、東京都と愛知県には「日系人雇用サービスセンター」が設けられており、事業主からの相談も受け付けています。

求人サイトや自社サイトの活用

外国人労働者の募集には、外国人労働者向けの求人サイトや企業の自社サイトを活用するという方法もあります。汎用性のある英語の求人情報だけでなく、インドネシア語や中国語、韓国語などの多言語対応が必要になりますが、求人サイト上で多言語対応していることが多いので心配はありません。

ただし、自社で外国人材向けの情報を発信する場合は、外部の専門業者などに依頼して、エントリーフォームなども含め多言語化を進める必要があります。

効果的な外国人向け求人広告や求人情報作成のポイント

求人広告や求人情報を作成する際は、外国人求職者が理解しやすい内容にすることを心掛け、以下の点を明確に記載しましょう。

  • 業務内容と必要なスキル:特定の資格や経験が必要な場合は具体的に記載し、求職者が応募するかどうか判断しやすくします。
  • 給与や福利厚生:給与や手当、社会保険の加入状況など、日本で働く際の条件を明確にすることで、求職者の不安を解消できます。
  • ビザやサポート内容:ビザ取得のサポートや日本語研修の有無を記載することで、安心して応募できる環境が整っている会社である点をアピールできます。
  • 社内のサポート体制:メンターや相談窓口などのサポート体制が整っている場合は、それを伝えることで働きやすい環境であることを示せます。

自社サイトで外国人材を募集する際のポイント

自社のWebサイトに外国人向けの採用ページを設けることは、応募者にとって企業の理解を深めるうえで効果的です。以下の点を工夫するとさらに効果が期待できます。

  • 多言語対応:日本語に加え、英語や母国語での採用ページを提供することで応募者の理解を促進できます。会社の情報だけでなく、エントリーフォームなども多言語化するのが理想です。
  • ビデオや写真の活用:企業の実際の雰囲気や働き方を伝えるために、社内の様子や従業員のインタビューを掲載することで、求職外国人材からの信頼感を高めます。
  • FAQセクション:よくある質問も多言語化して掲載し、応募者が不明点を解消できるようにすることも重要です。民族上、宗教上の不安を感じる外国人労働者向けに、職場や生活上どのような対応が可能かを明記しておくとよいでしょう。

外国労働者の人材紹介会社を活用する

外国人労働者を採用する際、人材紹介会社を利用することは効率的な手段です。人材紹介会社の選定ポイントと、利用時の留意事項についてまとめてみました。

信頼できる人材紹介会社の選定ポイント

信頼できる人材紹介会社を選ぶためには、以下の基準を考慮します。

  • 専門性と経験値:外国人労働者の紹介に特化した会社や、特定分野に強みを持つ会社、経験値が豊富な会社かどうかを確認します。
  • 評判と実績:過去の実績や口コミなどの評価を調査することで、求職者の質やサポート内容を確認できます。実際に外国人材を採用した企業の声などもチェックしてみましょう。
  • サポート内容の充実度:ビザ申請や日本語学習、生活サポートなど、労働者の定着を助けるサポート体制が整っている会社を選ぶことをおすすめします。事務手数料などが明記されていると、わかりやすいと思います。

人材紹介会社利用時の留意事項

人材紹介会社を利用する際、自社にマッチした海外人材を獲得するためには、採用する企業側からの的確な情報提供が不可欠です。人材紹介会社に丸投げするのではなく、外国人労働者を採用する企業側も周到な準備と受け入れ態勢の構築が必要です。

  • 職務内容や労働条件の具体化:求めるスキルや職務内容を具体的に伝えることで、採用したい人材を紹介してもらえます。
  • 社内の受け入れ態勢の構築:外国人労働者の雇用を束ねる責任者の選定や、住居などの準備、社内研修の準備などもしっかり構築しておきましょう。
  • 採用後のフォロー:採用後のフォローアップやトレーニングなどについても人材紹介会社の担当者に相談し、専門家ならではのアドバイスをもらうようにしてください。また、外国人材を紹介するだけでなく、どこまで人材紹介会社がフォローしてくれるのか、事前に確認しておきましょう。

大学や専門学校と連携して外国人留学生にアピール

外国人留学生は原則就労できません(※)が、日本で就職を検討している外国人材を発掘できる宝庫ではあります。日本国内の大学や専門学校と連携することによって、就労意欲の高い外国人材を獲得できる可能性があります。

効率よく就労意欲の高い外国人の新卒が採用できる

日本の大学や専門学校で学んだ外国人学生はそもそも、日本の文化や日本語を理解し、なじんでいるケースが多いという特徴があります。
初めて日本を訪れる外国人労働者と比較すればかなりのアドバンテージを有していますし、スムーズに職場に適応しやすいという利点もあります。

  • 安定した労働力の確保:教育機関で学んだ学生は、日本語や日本における生活といった基礎的な知識やスキルを有しているため、即戦力としての活躍が期待できます。
  • 長期的な定着:新卒採用で入社した社員は、企業とともに成長する姿勢を維持しやすく、職場への定着率が高い傾向にあります。

教育機関とのパートナーシップ

教育機関との連携は、将来の人材確保に役立ちます。大学や専門学校等との連携方法には、以下のような方法があります。

  • インターンシップ制度の提供:在学中の外国人学生にインターンシップの機会を提供し、職場の雰囲気や仕事の内容を知ってもらうことで、卒業後の採用につなげることができます。
  • キャリア支援セミナーの開催:企業が直接セミナーや日本における就労説明会を実施することで、学生に対して具体的な業務内容やキャリアパスを紹介できます。

公的機関やコミュニティを活用して外国人材を獲得する

外国人労働者の募集活動には、地方自治体や外国人コミュニティを活用することも有効です。

地方自治体の支援制度を活用する

多くの地方自治体では、外国人労働者の採用支援を目的とした助成金制度や相談窓口を設けています。自治体によっては、外国人向けの求人情報や研修支援を行っている場合もありますので、会社のある地域の自治体で助成制度や相談窓口がないか、確認してみましょう。

外国人コミュニティとの連携を検討する

外国人労働者が多く在籍する地域には、さまざまなコミュニティが形成されています。地元密着型の事業をしている場合などはとくに、これらのコミュニティと連携することにより、外国人求職者にリーチしやすくなります。
またSNSなどを活用して在留外国人向けに情報を発信していくことで、採用につなげられる可能性もあります。

  • コミュニティイベントへの参加:地域で開催される外国人向けのイベントや説明会に参加することで、求職者との接点を持つことが可能です。
  • 現地語での告知:外国人コミュニティのSNSや掲示板を利用し、求職情報を告知することで、広く情報を発信できます。

外国人労働者の受け入れ準備

入国前の準備

外国人労働者を受け入れる際、入国前にしっかりと準備を行うことが必要です。ビザ取得や住居の手配を含め、外国人労働者を雇い入れるためのサポート体制を整えましょう。

住居の手配とビザ申請支援

外国人労働者が到着後すぐに生活を始められるよう、住居の手配を事前に進めておきます。また、ビザ申請に関するサポートも企業が行うことで、スムーズな入国を実現できます。

  • 住居の確保:不動産会社と連携し、労働者の希望に沿った住居を確保しておきます。
  • ビザ申請のサポート:ビザの種類や申請手続きに関する情報提供を行い、必要な書類の準備をサポートします。

印鑑や必要書類の準備

日本で生活するには、印鑑や各種書類が必要となるため、入国前にこれらの準備について就労予定の外国人に案内します。

  • 印鑑の準備:銀行口座の開設や住民登録などで必要になるため、印鑑の作成を促します。
  • 必要書類の確認:在留カードや労働契約書、健康保険証などの必要な書類を確認し、速やかに提出できるよう準備します。

入国後のサポート

入国後には、住民登録やインフラ整備など、生活の立ち上げを支援するためのサポートが不可欠です。人事セクションに大きな負担が生じることになりますので、外国人材をとりまとめるチームの編成や責任者の選定も重要です。

住民登録と銀行口座開設

日本での生活をスムーズに始められるよう、住民登録や銀行口座の開設をサポートします。

  • 住民登録:外国人労働者が居住地の役所で住民登録を行えるようにサポートします。
  • 銀行口座の開設:給与振込などに必要な銀行口座の開設を案内し、手続きをサポートします。

インターネット環境やライフラインの整備

インターネット環境や生活に必要なライフラインが整っていないと、外国人労働者が不便を強いられることになります。
日常生活を安心して送れるように、企業側がサポートすることが大事です。

  • インターネットの手配:通信環境が整っているか確認し、必要に応じてサポートします。外国人労働者が情報弱者にならないよう、きめ細やかな対応が求められます。
  • 水道・電気・ガスの契約:基本的なライフラインの契約手続きについても支援し、スムーズに安心して日常生活をスタートできる環境を整えます。

法定健診や健康保険の加入

労働者の健康を守るため、法定健診の実施や健康保険の加入も必要です。

  • 法定健診の実施:労働安全衛生法に基づき、入社時の健康診断を手配し、労働者の健康状態をしっかり確認します。基礎疾患などがないか、必要に応じて母国語の通訳などの力も借りて、しっかりヒアリングします。
  • 健康保険加入:加入手続きをサポートし、医療費の負担軽減や健康管理ができるように整えます。

特定技能外国人への支援

特定技能の在留資格を持つ外国人労働者の場合、資格更新手続きなどのほか、法令改正の影響を受けるケースも多いため、特別な支援が必要となります。受け入れ機関がすべて対応するのが難しい場合、登録支援機関に外国人労働者を支援してもらいます。

登録支援機関の利用方法

登録支援機関は、特定技能外国人に対して生活サポートを提供するための機関です。企業は登録支援機関と連携し、外国人労働者が円滑に日本で生活し、働けるようサポートを行います。

  • 生活指導や相談対応:生活面での悩みや問題に対応するための窓口を設け、外国人労働者が安心して生活できる環境を提供します。提出が必要な書類などに関してもサポートしてくれます。
  • 日本語学習支援:日本語学習プログラムを提供することで、労働者のコミュニケーションスキル向上を支援します。

外国人労働者への支援内容とその重要性

特定技能外国人への支援内容には、生活支援、労働条件の説明、日本語教育などが含まれます。これにより、外国人労働者の生活環境を整え、安心して日本で働けるようにすることが重要です。
また特定技能を有する外国人材に長く日本で働いてもらうためにも、日本語の学習や技術の習得を本人任せにするのではなく、外国人材が成長していけるようなプログラムや仕組みを提供することが重要です。

  • 生活支援:日常生活における疑問や問題についてつねに相談できる窓口を設け、親身にアドバイスしていくようにしてください。労働者が適応しやすい環境を提供していくことが、外国人材の定着につながります。
  • 労働環境支援:労働条件や就業ルールを理解してもらいつつ、民族的・宗教的慣習なども考慮した労働環境を整えていくようにしましょう。同時に社内における相互理解を高める研修なども実施して、職場でトラブルが発生しないようにします。
  • 日本語や業務の技術向上のための研修プログラム:外国人労働者が高いモチベーションを維持していけるような環境を整えます。

職場環境の整備とフォローアップ

多文化共生の職場作り

外国人労働者が日本の企業で働きやすい職場環境を整えるためには、多文化共生の意識が重要です。企業は以下のような取り組みを通じて、日本における外国人労働者の適応を支援し、長期的な雇用関係を築いていくことを目指します。
たった1日でも5年でも、外国人労働者を雇用するための手続きは同じです。同じ労力をかけるのなら、できるだけ長く定着して働いてもらうほうが、企業にとってもプラスになります。

  • 異文化理解を促進する取り組み:文化的背景の違いによって価値観や行動様式が異なる場合が多いため、異文化理解に関する研修や異文化交流の場を設け、相互理解を深める機会を提供します。例えば、ランチミーティングや異文化紹介イベントを定期的に開催し、互いの文化への理解と尊重を醸成することが有効です。
  • インクルーシブな職場文化の構築:企業全体で外国人労働者を一員として受け入れる姿勢を示し、職場内で差別や偏見がなく公平な関係が築かれるようにします。インクルーシブな職場環境を築くためには、多様なバックグラウンドを持つ労働者が互いの違いを尊重し、自由に意見を言いやすい雰囲気作りが不可欠です。

同僚・上司の理解とサポート体制

外国人労働者の受け入れには、同僚や上司の理解が非常に重要です。特に以下の教育や支援制度の導入が効果的です。

  • 教育とトレーニングの実施:外国人労働者と直接協働する同僚や上司には、異文化対応のトレーニングを実施します。これにより、日本独自の職場文化やコミュニケーション方法についての理解が深まり、協力的な関係が築きやすくなります。その際気を付けなければいけないのは、一方的に「日本式」を押し付けるのではなく、外国人労働者の文化や慣習についても学び、互いに理解していくことが大変重要です。
  • メンター制度の導入:メンター制度は、外国人労働者に対して日本のビジネスマナーや業務プロセスを指導する役割を担う制度です。メンターが定期的に労働者の状況を確認し、必要に応じてサポートすることで、外国人労働者が不安なく業務に取り組める環境が整います。メンターのかたは業務上の指導だけでなく、日常生活にも不便や不安がないか、丁寧にヒアリングしていくようにしましょう。

継続的なコミュニケーションとトレーニング

外国人労働者の定着率を高めるためには、定期的なフィードバックやトレーニングが欠かせません。

  • 定期的なフィードバック:外国人労働者の成長や業務への貢献を評価するため、定期的なフィードバックの機会を設けます。これにより、外国人労働者は自己改善の方向性が明確になり、職場での役割に自信を持てるようになっていきます。
  • スキルアップの機会提供:外国人労働者が職務において自己成長できるよう、業務スキルや日本語スキルの向上を目指す研修を提供します。企業側がスキルアップのチャンスを与えることにより、外国人労働者が働き手として戦力となるだけでなく、継続的な雇用にもつながります。

外国人雇用における注意点

労働条件の明確化と法令遵守

外国人労働者の雇用にあたっては、労働条件の明確化と法令遵守がつねに求められます。労働力の搾取や違法就労などが発覚すれば、企業の社会的信用を落としてしまうことになります。
コンプライアンスを遵守して外国人労働者が安心して働ける環境を提供するためには、以下のような対応が求められます。

  • 労働条件の透明性確保:労働時間、賃金、業務内容などの雇用条件を明確に提示し、外国人労働者が働きやすい環境を提供します。また、労働条件通知書などの書面で条件を提示し、誤解が生じないようにします。
  • 法令違反を避けるためのチェックリスト:外国人雇用においては、労働基準法や出入国管理法などの法令を遵守するためのチェックリストを用意し、法令違反が発生しないよう管理を徹底します。企業は定期的にコンプライアンス研修を実施し、法令遵守の意識を企業風土に根付かせるようにしていきます。

同一労働同一賃金の原則を遵守する

外国人労働者と日本人労働者の間で公正な労働条件が提供されるよう、同一労働同一賃金の原則を守ります。
これは日本人の正社員と契約社員の給与についてもよく問題として挙げられる問題ですが、外国人労働者の賃金が不当に低く抑えられるようなことがあってはなりません。

  • 公平な給与体系の構築:同じ業務内容であれば、国籍に関わらず同等の賃金を提供する給与体系を整え、差別のない報酬を実現します。また、職務評価を定期的に行い、業務の成果に基づく公平な昇給や昇格が行われるようにします。
  • 差別の防止策:国籍や出身地による差別が発生しないように、社内規定や行動指針を設け、差別的な言動が行われないような職場文化を醸成します。特に、外国人労働者が孤立しないようにチーム全体で協力し、安心して働ける環境を提供します。

不法就労防止とリスク管理

外国人労働者の雇用には、不法就労防止のための徹底したリスク管理が求められます。

  • リスク評価と対応策:企業は外国人労働者の在留資格や就労範囲を確認し、定期的なリスク評価を行う必要があります。企業側でも在留カードや労働契約の管理システムを導入し、更新漏れを防止するようにしましょう。
  • 法的リスクの最小化:法令違反が発覚した際には、企業全体の信頼性が低下する可能性があるため、法的リスクを最小限に抑えるための対策を講じます。労働者が適切な在留資格で働いていることを確認し、不正な就労が行われないよう管理する責任者の配置なども検討します。

トラブル防止のためのコミュニケーション戦略

トラブルの未然防止には、外国人労働者と企業のメンバーの相互理解を高めるためのコミュニケーション戦略が必要です。
お互いに知ろうとすることがトラブルを防ぎ、協力し合うことで業務にもプラスの効果が生まれます。

  • 早期問題発見と対応:外国人労働者が職場で不安や悩みを抱えている場合、迅速に対応できる体制を整えます。問題が表面化する前に気付き、早期に対応することで、労働者のストレスやトラブルを未然に防ぎます。この早期対応は常日頃から細やかなコミュニケーションを図っていないと、なかなか実行できません。
  • 効果的な問題解決方法:労働者の不満やトラブルが生じた際には、オープンな対話を通じて解決に向けて行動します。必要に応じて第三者機関と連携し、問題を前向きに解決する姿勢が大事です。

外国人雇用を成功させるポイントとは?

外国人雇用を成功させている企業の取り組み事例

外国人を雇うには、成功事例を参考にするのもひとつの手段です。
ここでは外国人雇用を成功させている企業のひとつとして、カシオ計算機(株)の事例を紹介します。

参照元:カシオ計算機(https://www.casio.co.jp/csr/social/utilize/

  • 取り組み:カシオ計算機では、外国人労働者が信仰する宗教に配慮して、従業員食堂のメニューに英語を併記したり食材に使われている肉の種類を絵で伝えたりしています。毎日お祈りの時間が決まっている宗教を信仰する従業員向けに、専用のお祈り部屋を用意しているのも、多国籍な人材が集まる企業ならではの事例です。
  • 成功要因の分析:「日本ではこうだから」と押し付けず、各国や地域の文化・宗教・慣習などを知り、配慮した取り組みを積極的に行っていることが成功の要因といえるでしょう。

定着率を高めるための工夫

外国人労働者の定着率を高めるための工夫

外国人労働者の定着率を高めるためには、以下のような工夫が有効です。

  • モチベーション維持の方法:労働者が自身の成長を実感できるよう、目標設定やキャリアアップの機会を提供します。日本語研修や技術研修などを行うことで、労働者が自分の役割にやりがいを感じやすくなります。またインプットだけでなく、人前での発表などアウトプットの機会を与えることも有効です。
  • キャリアパスの提供:労働者が長期的に働きたいと思えるよう、キャリアパスを提示します。特に、昇進や昇格の機会があることを伝えることで、労働者の意欲を高め、企業との長期的な関係構築に役立ちます。

外国人労働者サポート体制の効果的な構築方法

外国人労働者のサポート体制を充実させることで、労働者の安心感と企業への信頼度が向上します。構築する際には以下のポイントに留意しましょう。の安心感と企業への信頼度が向上します。

  • サポートチームの設置:外国人労働者専用のサポートチームを設置し、労働者が相談しやすい環境を整えます。入社後の生活面や職場環境の整備など、さまざまな課題に対応できる体制があることにより、労働者の安心感が高まり、会社への愛着度も増していきます。
  • 継続的な支援の提供:労働者の成長と適応をサポートするため、定期的な相談やカウンセリングを実施します。外国人労働者が職場での課題に直面した際に迅速な支援ができる社員が増えていけば、外国人労働者本人だけでなく、社員の成長と事業の発展にもつながります。
まとめ

社員の成長が外国人労働者の雇用を成功させるカギ

ここまで「外国人労働者が長く、安心して働く」ために必要な基礎知識について解説してきました。
外国人労働者を雇うには、多文化共生の職場づくりや適切なサポート体制が重要であることがご理解いただけたと思います。企業が積極的に異文化理解を進め、法令順守と労働者へのサポートを徹底することで、外国人労働者の働きやすい職場環境が構築されます。

また、教育機関や人材紹介会社、自治体と連携して効果的に外国人材を確保し、受け入れ体制を整えること、外国人労働者の雇用を成功させるポイントです。相互理解の醸成や外国人材の受け入れ態勢の構築は、外国籍の社員をサポートするだけでなく、受け入れる側の社員の成長も促してくれるという特徴もあります。

今後も、外国人労働者の雇用を通じて多様な人材が活躍できる職場環境を整え、日本経済の発展に貢献する企業として成長していくことを目指していきましょう。