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日本で働く外国人エンジニアの給与相場を把握しよう

日本で働く外国人エンジニアの給与設定を適切に行うためには、業界の相場を正確に把握することが求められます。本記事では、エンジニアの職種ごとの平均年収や国別・年齢別の収入状況について詳細に解説します。

目安にしたい!日本企業で働く外国人エンジニアの給与相場

外国人エンジニアの給与相場を職種ごとに見る

外国人エンジニアを採用する際、まず重要となるのは職種別の給与相場を理解することです。IT分野のエンジニア職種は、特にスキルや経験によって年収に幅が出やすい傾向があります。以下は日本で一般的な職種ごとの平均年収です。(2024年10月時点)

職種平均年収
プロジェクトマネージャー733万円
コンサルタント、アナリスト、プリセールス652万円
研究、テクニカルマーケティング、品質管理ほか579万円
基盤・インフラ575万円
ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)547万円
通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)543万円
パッケージソフト・ミドルウェア開発512万円
システム開発(Web・オープン系)512万円
社内SE510万円
システム開発(汎用機系)508万円
システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系)490万円
運用、監視、テクニカルサポート、保守477万円
参照元:Tech総研(https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002284

ソフト系エンジニアで最も平均年収が高いのは、733万円のプロジェクトマネージャーです。実力や経験値によってはさらに年収が高くなるケースもあり、特にプロジェクト管理の経験が豊富なエンジニアにとっては高年収を見込める職種といえます。

ハード系エンジニアの職種ごとの平均年収

次に、ハード系エンジニアの職種別平均年収について見てみましょう。ソフト系と比較すると、ハード系は全体的に年収がやや低めの傾向が見られます。(2024年10月時点)

職種平均年収
半導体設計569万円
研究、特許、テクニカルマーケティングほか563万円
セールスエンジニア、FAE544万円
光学技術541万円
製造技術525万円
生産技術、プロセス開発521万円
回路・システム設計519万円
制御設計518万円
機械・機構設計511万円
素材、半導体素材、化成品管理505万円
品質管理、製品評価、品質保証、生産管理501万円
サービスエンジニア・FAE494万円
運用、監視、テクニカルサポート、保守350万円
参照元:Tech総研(https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002284

ハード系エンジニアの中で最も平均年収が高いのは半導体設計の569万円です。企業規模や個人の実力、経験値によって年収の幅が広がる職種も多いため、各企業が必要とするスキルセットに応じた給与設定が求められます。

国別でもこんなに違う!?エンジニアの平均年収

世界各国のエンジニア平均年収ランキング

エンジニアの給与相場は国や地域によって大きく異なり、労働市場や生活水準、経済状況などの要素が影響しています。以下に示すデータは、各国のエンジニアの平均年収(円換算)をランキング形式でまとめたもので、特にスイスやアメリカが高い水準を示しています。(2024年10月時点)

順位平均年収(円換算)
1位スイス15,734,335円
2位米国14,021,459円
3位イスラエル13,387,701円
4位デンマーク11,129,605円
5位パナマ9,957,389円
6位ノルウェー9,612,518円
7位ドイツ9,284,788円
8位オーストラリア8,962,876円
9位フィンランド8,440,616円
10位オーストリア8,230,674円
20位日本6,028,877円
参照元:ヒューマンリソシア株式会社(https://corporate.resocia.jp/info/news/2022/20221214_itreport06

特にスイスの平均年収が約1,573万円と突出しており、アメリカやデンマーク、ドイツなどの先進国が続きます。一方、日本のエンジニアの平均年収は約603万円で20位に位置しており、同じ先進国の中でも低い水準にあります。

各国におけるエンジニア給与の増減率

エンジニアの給与は、国の経済状況や需要によって年々変動することがあります。特に、南米や中東の一部の国々ではIT技術者の需要が高まっており、給与の増加率も急速に上昇しています。以下に、2021年のデータと比較した際の増減率のトップ20を示します。(2024年10月時点)

順位増減率
1位アルゼンチン81.9%
2位バーレーン60.3%
3位パナマ48.2%
4位ウガンダ46.7%
5位ブルガリア22.4%
6位ブラジル15.8%
7位台湾(中国)14.9%
8位メキシコ4.7%
9位インド3.9%
10位スリランカ3.9%
67位日本-15.1%
参照元:ヒューマンリソシア株式会社(https://corporate.resocia.jp/info/news/2022/20221214_itreport06

南米のアルゼンチンでは前年比81.9%増という大幅な増加率を記録しており、IT人材の需要が急増していることが反映されています。これに対して、日本のIT技術者の給与は前年比-15.1%と大幅な減少を示しており、円安の影響も考慮する必要がありますが、他国に比べて給与水準が下がっている現状がうかがえます。

給与交渉で外国人エンジニアに伝えておきたいこと

外国人エンジニアと給与交渉を行う際、単に給与の額を提示するだけでなく、待遇や職場環境、キャリアパスに関する情報をしっかり伝えることが重要です。こうした説明が十分であれば、エンジニアが長期的に安心して働ける環境を提供でき、ミスマッチの防止や定着率の向上にもつながります。以下に、特に重視すべきポイントを挙げます。

昇進・昇給の機会について

外国人エンジニアの中には、日本でのキャリアの将来性が見えず退職につながってしまうケースも少なくありません。このような早期退職を防ぐためには、入社時の給与だけでなく入社後の昇進・昇給の見通しについても明確にしておく必要があります。

特に、海外では成果主義の評価体系が主流であり、結果を出せば短期間での昇進や昇給が可能であるため、スピード感のあるキャリア形成を期待しているエンジニアも少なくありません。日本の年功序列文化による評価体系が異なる場合は、その点についても説明を行い、早期の昇進・昇給がどのように実現できるのか、具体的なルートを示すことが大切です。

業務内容の明確化

母国を離れて日本で働く外国人エンジニアには、高い向上心を持つ人が多く、その期待に応える環境作りが求められます。しかし、業務内容に関する理解が曖昧だと、実際にやりたい仕事に就けなかったと感じることがあり、モチベーション低下につながるリスクがあります。

そのため、具体的に担当する業務内容やプロジェクトの範囲を給与交渉の場で明確にすることが重要です。仕事内容に関する期待値を一致させることで、エンジニアが業務に集中しやすくなり、企業にとっても長期的な成長が期待できるでしょう。

福利厚生の充実について

福利厚生も外国人エンジニアにとって大事なポイントです。特に、海外では家族との時間を大切にする文化が強く、必要な時に休暇が取れない、働き詰めになってしまうといった環境は不満の原因となり得ます。

そのため、健康保険や有給休暇、家族手当などの福利厚生についても具体的に説明し、家庭や生活を支えるサポートがあることを示すことが望ましいです。これにより、仕事と生活のバランスを保ちながら働ける安心感を持ってもらうことができ、長期的な定着にもつながります。

給与交渉では、単に給与の金額だけに焦点を当てるのではなく、キャリアの成長、業務内容の充実、そして福利厚生のサポートという3つのポイントをしっかりと伝えることが、外国人エンジニアにとって魅力的な職場環境を提供するための鍵となります。