タイは、日本と同様の教育制度を採用し、基礎教育の無償化や理系進学の選択肢を提供するなど、エンジニア育成に力を入れている国です。
本記事では、タイ人エンジニアの技術レベルや、彼らの仕事観、就職事情について詳しく解説します。
タイ人エンジニアの技術レベルはどのくらい?
タイでは、日本と同様に小学校から大学までの「6+3+3+4システム」を採用し、12年間の基礎教育を無償化しています。高校では文系か理系を選択する制度があり、理系を選択した生徒は工学系の進学を目指すケースが多いとされています。
また、JICAの調査によると、タイ国内の国立大学の3分の1に工学部が設置されており、毎年およそ2万人が卒業(※)しています。これにより、タイ人エンジニアは基礎学力に加えて理系の知識を身につけ、産業界での実務に対応できる人材が増加しているのです。
※参照元:タイ王国 タイ国産業人材育成ニーズに関する情報収集・確認調査報告書(https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12331583.pdf)
社風を合うか確認したい!タイ人の仕事観とは
タイ人エンジニアを採用する際、彼らの仕事観や価値観を理解しておくことは、円滑な職場環境を築く上で重要です。ここでは、タイ人に多く見られる仕事観や性格の特徴について、いくつかのポイントに分けて紹介します。
おおらかでポジティブな「マイペンライ」の精神
タイでは「マイペンライ(大丈夫、問題ない)」という言葉が広く使われ、細かいことを気にしすぎず、楽天的に物事を受け入れる姿勢が見られます。このポジティブな性格は、仏教の教えが根底にあり、問題が起こっても「どうにかなる」と考えることが多いです。職場でのストレスを軽減し、前向きな解決策を見出すための良いバランスを保ってくれるでしょう。
ホスピタリティと助け合いの精神
「微笑みの国」と称されるタイでは、人を助けることが自然な行動とされ、多くのタイ人がホスピタリティ精神を持っています。職場で誰かが困っているときに手を差し伸べるなど、周囲をサポートする姿勢が自然に発揮されるため、職場の雰囲気が温かくなりやすいです。このようなホスピタリティは、日本の職場文化にも良い影響を与え、信頼関係の構築に役立つでしょう。
向学心が旺盛
タイは大学進学率が高く、若者の識字率も高いため、タイ人エンジニアの多くは学びへの意識が強い傾向があります。英語や日本語などの外国語学習に意欲的で、特に日本でのキャリアを目指すタイ人エンジニアは、日本語習得にも積極的です。このような向学心を持つ人材は、会社の成長に貢献しながら、自らもスキルを高めようとする姿勢が見られます。
タイ人エンジニアのこうした特性を理解することで、自社の社風に合うかどうかを確認しやすくなり、長期的な職場での信頼関係の構築に役立つでしょう。
タイ人の就活事情とは
タイの就職事情には、日本と異なる特徴があります。タイでは、一般的に大学卒業後に就職活動を始めるケースが多く、新卒者の就職はのんびりとしたペースで進みます。春から夏にかけて多くの新卒者が就職先を見つける傾向があり、学生生活の延長として穏やかにキャリアをスタートするのが一般的です。
タイ人の平均年収はおおよそ300,000~400,000バーツ(日本円で約130~140万円)ですが、エンジニアは比較的高い年収を得ており、平均で約200万円弱とされています。このため、年収やキャリアアップを目指すタイ人エンジニアにとって、日本での就職は大きな魅力となるでしょう。
ただし、日本で働くためにはエンジニアリングスキルだけでなく、日本語能力などの追加スキルも求められます。日本企業としては、こうしたタイ人に向けて自社のアドバンテージやキャリアのメリットを伝えることで、採用につなげやすいと考えられます。
外国人エンジニアの採用支援を提供している企業を紹介する特集ページもありますので、タイ人エンジニア採用を検討している方は参考にしてみてください。