外国人スタッフを採用する際、事業主が厳重に確認・管理しなければいけない在留カード。ここでは、在留カードの概要や規定、適切に管理されなかった場合のリスクについて解説します。
在留カードが交付される対象者とは?
在留カードは日本国内で中長期にわたり滞在する外国人に交付されますが、対象者の条件は次の6つです。
交付を受ける対象者の条件
- 日本在留期間が3ヶ月を超えると認められた
- 外交または公用の在留資格が決定していない
- 「特別永住者」ではない
- 「短期滞在」の在留資格が決定していない
- 「特定活動」の在留資格が決定された、台湾日本関係協会の本邦の事務所(台北駐日経済文化代表処等)もしくは駐日パレスチナ総代表部の職員またはその家族ではない
- すでに「在留資格」を持っている
どれにも当てはまらない場合は在留カード交付の対象にはなりません。
参照元:出入国在留管理庁(https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/newimmiact_4_index.html)
在留カードに含まれる情報
在留カードには、以下の情報が記載されています。
- 氏名、生年月日、性別、国籍・地域
- 住居地
- 在留資格および在留期間
- 在留許可の種類
- 就労制限の有無
- 許可年月日、交付年月日、在留カードの有効期間
これらの情報は、外国人の身分を確認するためだけでなく、事業主が労働者の資格を確認する際にも利用されます。情報は在留カードの表と裏に必要事項が記載されているため、必ず両面を確認してください。
なお、在留カード情報の確認には「在留カード等読取アプリケーション」の利用が便利です。在留カード等読取アプリケーションを利用することで、カード券面の情報と内蔵ICチップの情報に差異がないか=偽造されていないかを確認しやすくなります(無料)。
アプリケーションはWindows(10以降)、macOS、Android・iOSで利用可能なので、外国人を雇用する前にダウンロードしておくといいでしょう。
参照元:出入国在留管理庁(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html)
外国人スタッフの在留カードに関する規程
在留カードを交付されている外国人スタッフには、いくつかの義務や手続きが伴います。
携帯義務
在留カードを所持する外国人は常に携帯すること、そして警察官や入国管理官などから在留カードの提示を求められた場合、即座に提示しなければいけません。
雇い主は外国人スタッフがきちんと在留カードを携帯しているか、チェック制度を設けることをおすすめします。
届出義務
在留カードに記載されている情報に変更が生じた場合、所定の期間内に届出を行う必要があります。
- 住居地を変更した場合(市区町村へ届出を行う)
- 氏名、国籍・地域、性別・生年月日が変更された場合(地方入国管理官署へ届出を行う)
何の情報を変更するかによって届出先が異なるため、外国人スタッフが困らないように事業主も覚えておくといいでしょう。
有効期間の更新
在留カードには有効期限が設定されており、更新手続きを行わないと不法滞在となってしまいます。原則として在留期間満了日=在留カードの有効期限なので、一度雇い入れた外国人スタッフの在留期間が満了するまで更新の必要はありません。
ただし、在留資格を変更したときや永住者などは更新が必要なので、うっかり期限切れにならないようにサポートしましょう。
紛失等の手続き
外国人スタッフが在留カードを紛失、滅失、破損・汚損したり、盗難に遭った場合は再交付の手続きが必要です。特に紛失、滅失(※)、盗難の場合は、その事実を知った日から14日以内に再交付手続きを行わなければなりません。
破損・汚損など、在留カードの現物があるけど効力が弱くなっている場合、再交付手続きの期限は特に定められていないですが、速やかに手続きを行いましょう。
(※)滅失…災害や人的行為などが原因で、対象物(在留カード)を物理的に失うこと。
在留カードの管理が不十分な場合に事業主が負うリスク
在留カードの管理が不十分だった場合、事業主は以下のようなリスクを負います。
- 外国人スタッフが不法就労とみなされる…「不法就労助長罪」として3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 外国人スタッフの雇用(離職含む)についてハローワークへ届出をしない、あるいは虚偽の届出をする…30万円以下の罰金
故意ではなく過失でも罰則が科される可能性があるためご注意ください。
参照元(PDF):出入国在留管理庁(https://www.moj.go.jp/isa/content/001349112.pdf)
まとめ
在留カードは外国人スタッフにとっても、事業主にとっても極めて重要な身分証明書です。適切に管理を行うことで健全な労働環境を維持できるため、管理体制や管理方法をしっかり整備しましょう。
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